コーヒーは、基本、豆と水というシンプルな飲み物。水を変えただけで味わいもがらっと変わります。
正直に言うと、人の好みはさまざまですので、これが一番と言い切るのは難しいです。ですから水の特性を知った上で、いろいろ試してみてください。ただ、共通して言えることは、空気をよく含んだ、新鮮・汲みたて・沸かしたてのものを使いましょう。再沸騰させた湯や、汲み置きの水、加熱処理されたミネラルウォーターや硬水より、天然水(軟水)がいいでしょう。

酸味が引き立つ

苦味が引き立つ

軟水とは、金属イオン(カルシウムイオンやマグネシウムイオン)含有量が少ない水です。
硬水とは、金属イオン(カルシウムイオンやマグネシウムイオン)含有量が多い水です。
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- 日本の水道水の多くは軟らかすぎない「軟水」です。香りや酸味、渋味を引き立てつつ、苦味をややまろやかにする、コーヒーに適した水といえますが、苦味が好きな方には少し物足りないかもしれません。
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- 「硬水」は硬度が増すほど口当たりが重く、癖の強い味がしますが、コーヒーの苦味成分がなじみやすいので、苦味がより際立ちます。反面、酸味はあまり出ないので、酸味が好きな方には少し物足りないかもしれません。香りについては軟水に比べるとやや弱いようです。
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- 「アルカリイオン水」は抽出力が高く、水道水よりも濃く早く抽出できて、味はまろやかに仕上がるのが特徴です。水のphが高い(アルカリ側に傾く)と、酸味がまろやかになるのですが、人によってはかえって味がぼやけたように感じることがあります。はっきりした苦味が好みの方にはあまりおすすめできませんが、クセの強い豆が好みに合わなかったときには、アルカリイオン水で淹れてみるといいかもしれません。
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- 「浄水器の水」は濾過の構造によってさまざまですが、中でも活性炭を使ったものは、軽い味わいに仕上がる傾向があります。
〈参考文献〉
- ●全日本コーヒー協会 ホームページ
- ●コーヒー検定教本/全日本コーヒー商工組合連合会
- ●コーヒー「こつ」の科学/石脇智広 著
- ●世界で一番おいしいコーヒー/一個人編集部 編
- ●コーヒーの基礎知識/枻出版社
- ●おいしい珈琲の事典/成美堂出版