豆を挽く器具は、「ミル」「グラインダー」と呼ばれ、手動と電動タイプがあります。豆を粉砕する部分の名称はあまり統一されていないのですが、ロールグラインダー、ブレードグラインダー、コニカルカッター、フラットカッターの4つに大別されます。
粉の大きさは、粉砕の構造によって、挽く時間の長さで調節するものと、歯と歯の間隔で調節するものがあります。
主に工業用、業務用に使われています。歯がついた2本のロールバーの間を豆が通過するときに粉砕される仕組みで、粒度の均一性、粉砕速度、摩擦熱の発生の抑制に優れています。粉の大きさは、対になったロールバーの間隔で決まり、多くの場合は何対かのロールバーの間隔を狭めていって、段階的に挽きます。
羽根状の刃が回転することで豆を粉砕します。粉の大きさは、挽く時間の長さで決まります。家庭用のミルに多く使われていて、安価で掃除しやすいのが利点ですが、粒度が揃いにくく微粉(パウダー状の細かい粉)がやや出やすい、目視で細かさを判断しなくてはならない点が残念なところです。少し手間ですが、5〜6秒粉砕したら軽く振る、を繰り返しながら挽いて、淹れる前に茶こしなどで微粉を取り除くと、かなり欠点は補えます。
片方の歯が円錐状(conical)になっていて、固定された歯と回転する歯が、擦り潰すようにして豆を粉砕します。手動ミルやエスプレッソ用の電動ミルに多いタイプです。歯と歯の隙間を調整することで、粗挽き(隙間が広い)から細挽き(隙間が狭い)まで調整できます。微粉はあまり出ませんが、摩擦熱が発生しやすいので、手動ミルはハンドルを軽くゆっくりと回すようにしましょう。
業務用や、家庭用の電動ミルに多いタイプ。平面が凹凸になった一対の歯が、挟んだ豆を切るように粉砕します。細かさは固定歯と回転歯の間隔で調節し、粒の均一性に優れています。 また、摩擦熱の発生が少ない長所もありますが、コニカルカッターよりは微粉がやや多く出るので、粗挽きよりは中挽きや細挽きのほうが向いています。