コーヒーを淹れるには、まず焙煎した豆を粉状に粉砕すること(グラインド)が必要です。粉の大きさは濾過速度や風味に大きく影響し、豆を挽く粒が細かいほど、表面積が増えてコーヒーの成分が多く抽出され、苦味が際立った味になります。
傾向として、軽いコーヒーは粗く、濃いコーヒーは細く挽くと、より特徴が際立った味に仕上がります。
ペーパードリップ | 中細挽き |
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コーヒーメーカー | 中挽き |
ネルドリップ | 粗挽き |
金属製メッシュフィルタードリップ | 粗挽き or 中挽き |
ベトナム式ドリップ | 中挽き |
ウォータードリップ | 細挽き |
サイフォン | 細挽き |
コーヒープレス(フレンチプレス) | 粗挽き or 中挽き |
エスプレッソ | 極細挽き |
パーコレーター | 粗挽き |
イブリック | 極細挽き |
挽き方 | 相当の大きさ |
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粗挽き | 大きいザラメ糖程度 |
中挽き | 小さいザラメ糖程度 |
中細挽き | 中挽きと細挽きの中間程度 |
細挽き | グラニュー糖程度 |
極細挽き | 上白糖程度 |
挽いた粉は、豆の劣化を守っていた二酸化炭素が半分以上放出されて風味が落ちやすいので、早めに使うことをおすすめします。逆に言えば、豆の状態で購入して、都度必要なだけ挽くほうが、より風味豊かなコーヒーを飲むことができます。
ひとつ目は、挽くときの速度。
摩擦熱で粉の香りが飛んだり雑味が出ないよう、手動の場合はハンドルをややゆっくりと、軽く回しながら挽くことをおすすめします。プロペラ式電動ミルの場合は、5〜6秒挽いたら軽く振って、また5~6秒挽く、を繰り返して目標の細かさを目指すようにすると、摩擦熱の発生を押さえることができます。
ふたつ目は、微粉(パウダー状の細かい粉)。
エスプレッソのように極細挽きを前提で淹れる場合はともかく、抽出液に微粉が出やすいフレンチプレスならば、微粉は極力減らしたいものです。
そして、微粉はコーヒーの成分が溶け出しやすい(重厚な味になりやすい)ので、新鮮な豆ならば、味わいのひとつにも感じられますが、やや古くなった豆の場合は後味の悪さが目立つこともあります。
すっきりクリアな味を目指すなら、ペーパードリップであっても、茶こしなどで微粉を取り除いてから淹れることをおすすめします。
また、豆を挽く器具(ミルまたはグラインダーと呼ぶ)に微粉が残っていると、劣化した微粉が次に使用したときに混じって、味を損ねる元になるので、こまめに掃除をしましょう。