豆の場合は約1カ月、粉の場合は約2週間を目安に使い切ることをおすすめします。
目安の日からかなり過ぎたからといって、飲めなくなることはありませんが、風味は少しずつ劣化します。
粉になると、豆の状態よりも空気に触れる表面積が増えるので、空気中に香りが逃げやすくなります。
焙煎豆に含まれている二酸化炭素は、豆を挽くときに半分以上がなくなってしまします。二酸化炭素は、豆が劣化しないように水分や酸素から守る、いわばバリアのような働きをしています。また、粉の状態ではさらに失われやすく、その際、香りも一緒に飛んでいってしまうため、風味が劣化しやすいのです。
また、豆には油脂が含まれていて、これが酸化すると嫌な臭いを出すと言われています。しかしコーヒーの油脂は比較的短期に変化することはなく、豆に抗酸化成分が大量に含まれていることから、よほど保管状態が悪くない限り、油脂の劣化による影響は少ないという説もあります。
コーヒーの粉に湯を注ぐと、泡が出きて粉が膨張することがあります。これは焙煎豆に含まれる二酸化炭素で、特に焙煎直後の豆ほど大きな泡が出やすいです。
泡が出なかったり、膨らんだりしないと、二酸化炭素が少なく鮮度が悪いのかといえば、そうとは言い切れません。湯の温度が低いときや、豆の挽き方が粗いとき、炭酸ガスを吸着するタイプの脱酸素剤と保管している場合などは、泡や膨張があまり起きません。
むしろ泡が邪魔して豆の味を十分に抽出できず、薄めのコーヒーに仕上がることもありますので、店頭などで焙煎直後の豆を買って、すぐに使うときは気を付けましょう。
コーヒー豆には水に溶ける物質が含まれています。「コーヒーを淹れる」とは、この成分を水や湯に溶かし出す(抽出する)ことなのですが、温度条件、抽出時間、豆を挽く細かさによって溶け出し方が違います。