器具を揃えやすく、片付けが手軽で、最もポピュラーな淹れ方。コーヒーの油脂も濾過されるので、透明感のあるスッキリした味わいに仕上がります。
しかし、安定した味で淹れるには意外と経験が必要な方法です。抽出と濾過が同時に進むので、まず、湯の注ぎ方で違いが出ます。また、粉の量(淹れる杯数)が増えると、抽出時間が長くなるので、少量の杯数と同じように注いでもやや味の差が出ます。杯数を変えるときは、粉と湯の比率や湯温を調整してみてください。(コツは砂時計等で時間をはかること。約3分)
ポイントは湯の1投目に「蒸らす」こと。粉全体に水分を染み込ませ、コーヒーの成分を十分に溶解させることで、コクとうま味がしっかり抽出されます。
ドリッパーは、メーカーによって、1つ穴、3つ穴、穴が大きい1つ穴(円錐形)と、穴の面積に差があります。濾過は穴の面積が少ないほど、湯溜まりができやすく、比較的湯の注ぎ方による違いが出にくくなりますが、好みに合わせて調節する点では自由度が低くなります。
〈1つ穴タイプ〉
コーヒー粉を蒸らしたあと、必要な杯数分のお湯を一度に注ぐだけでもおししいコーヒーが淹れられるように、抽出液が落ちる速度を調整している。
〈3つ穴タイプ〉
ネルドリップの抽出方法をペーパーフィルターで再現できる。お湯の注ぎ方で味を調節したい中〜上級者にお勧め。
〈1つ穴(円錐形)タイプ〉
ネルドリップの抽出方法を円すいペーパーフィルターで再現できる。お湯の注ぎ方で味を調節したい中〜上級者にお勧め。
サーバー、ドリッパーに湯をかけて温めておきます。
(サーバーを温めた湯で、カップも温めておく)
ペーパーフィルターの重ね目(底と脇)を交互に折り曲げて、ドリッパーにセットします。
コーヒー粉を必要分(1杯で10〜13グラム)メジャーカップで計り入れ、表面を平らにします。(※1)
沸騰したお湯を少し落ち着かせて(90〜95℃)、1投目はコーヒー粉全体を湿らせる程度に、中心から外に「の」の字を描きながら細く静かに、低い位置から注いで、20〜30秒ほど蒸らします。(※2)
再び湯を注ぎ(2投目は)、注いだ湯がすべて落ち切る前に注ぎ足す、を数回に分けて繰り返す。2投目以降は、湯を太く注ぐと軽い味わいになり、細く注ぐとしっかりした味わいになります。(※3)
人数分の量が抽出ができたら、湯がすべて落ち切らないうちにドリッパーを外します。(雑味や濁りのないコーヒーに仕上がる)
全体で3分〜3分半を目安に抽出するのがベスト!
(※1)
●人数により1人あたりの粉量を増減する。
(※2)
●水は軟水が良い。浄水器だと味が軽くなる。アルカリ水だと味が濃くなる。
●湯わかし器の湯を使用しない。
●湯が熱いと苦味が増え、ぬるいと苦味が減り酸味が際立ちます。
(※3)
●上記を参考に自分流の味をつくってください。
●湯を同じ場所ばかりや、ドリッパーの縁に注ぐと、濾過層が崩れて味にムラが出やすくなります。